朝一からリョーマは試合が当たっている。
大会みたいなものに出るのは日本に来た時に出た、16歳以下の部に出た以来だ。
もちろん、その大会では優勝したが。
しかし、今日はそんなに強い相手と戦えないだろう。
テニス部の者が出れないから仕方ないが、リョーマにとってはつまらなくなりそうだった。
「リョーマ君、頑張って!!」
「越前君、勝ってね!」
と、集まっていたクラスの皆が応援する。
反対側のコートの辺りにも、最初に当たる3年の先輩たちの友達やらなんやらが集まっていた。
「では、今から3年5組紫藤 和彌(しどう かずや)対1年2組越前 リョーマの試合を始めます。トスをして下さい。」
「フィッチ?[どっち?]」
尋ねた瞬間に、ラケットを回す。
「スムース[表]」
リョーマはすかさず答え、ラケットを見ていた。
カラン。
「スムース[表]。どうするんだ?」
「じゃあ、サーブで。」
「だったら俺がレシーブだな。」
2人は定位置に向かって歩いて行く。
「和彌、1年坊主なんかに負けんなよ!」
「わかってるって。あんなチビに負けるわけないだろ。」
ぴくっ。
今…なんて言った?!
もう絶対容赦しない!!
紫藤 和彌の運命は決まった…。
「ゲームセットウォンバイ越前 6-0!!」
リョーマはかなり本気でプレーし、短い時間で試合は終わったのだった。
パーフェクトゲームをされた、紫藤はかなりへこんでいた。
前回のクラスマッチで準優勝していたから、なおさらだろう。
1年生の中に、それもテニス部でもない奴が圧勝したとすぐに全校に広まっていったのだった。
もちろん、レギュラーたちにも…。
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