『JOKER』PROLOGUE

太陽の光が燦々と降り注ぐ今日この日。

青春学園ではプチ行事である、クラスマッチが開催される。

青春学園で行われる行事はどれも普通の学校と比べ大きく、優勝クラスやMVPに豪華賞品が出るので、みんながとても力を入れる。

だからこそ、かなり盛り上がるのだ。

今回のクラスマッチは1年生が入って、はじめてのクラスマッチなので余計に力が入るのだった。

 

基本的に、青春学園では生徒は必ずどこかの部活に入らなければならない。

そして、クラスマッチでは自分の部の競技以外を選択しなければならなかった。

それは、リョーマも例外ではなかった。

まぁ、リョーマが入っている部活は吹奏楽部だから関係ないだろう。

入っているといっても、形だけだが…。

リョーマは今年、アメリカから来た帰国子女だ。

たまたま、幼いころからピアノやヴァイオリンなどをしてきたので、吹奏楽部に入った。

しかし、実際は向こうで同じぐらいの歳の人たちがテニスで相手にならなくなり、父親に勧められて日本に来たのだった。

だから、リョーマは少しでもテニスをしようと席は形だけにし、いろいろなテニスクラブを渡っていた。

男子テニス部に入ることも考えたが、1年生は積極的に打てないらしいのでやめた。

今回のクラスマッチでは、優勝を目指して一致団結しているクラスにいつの間にかバレていた、テニスができるということのせいで強制的に硬式テニスに出ることになったのだった。

まさか、そんなことがこれからの運命を大きく変えることになるとは、リョーマは露ほどにも思っていなかったのだった。

 

NEXT…Ⅰ

5000HIT