『THE CHAMPION』Ⅴ

先輩たちとテニスをして、切磋琢磨しながら強くなっていく。

そんな日常がいとも簡単に崩れるなんて、俺は思いもしなかった。

ただ、同じレギュラーである先輩たちとテニスをするのが楽しくて、その時間は俺にとってかけがえのないものとなっていたんだ…。

 

 

 

いつも通りの部活の風景。

でも、最近少しずつ異変が現れていた。

「なんか最近、リョーマの動きおかしくないか?」

「ああ。皆、気付いているだろう。」

「でも、リョーマ意地っ張りだからなぁ~。素直に俺たちの言うこと聞かないだろう。」

それは皆が思っていることだった。

皆といっても、レギュラー陣の事だが…。

他の部員に気づかせないあたり、さすがレギュラーだろう。

最近のリョーマは本当におかしかった。

3・4日前から動きが変だ。

レギュラーの皆が気付くぐらいに。

いつもはあまりかかない汗をかき、息も上がるのがはやい。

しかし、リョーマに聞けば何ともないと言う。

八方塞であった。

仕方がないので、リョーマの好きなようにさせているがこれがこのまま続く、もしくはこれ以上悪化すれば黙っていられなくなるだろう。

 

しかし、この事を後悔することになるとは、誰も思っていなかった…。

 

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