先輩たちとテニスをして、切磋琢磨しながら強くなっていく。
そんな日常がいとも簡単に崩れるなんて、俺は思いもしなかった。
ただ、同じレギュラーである先輩たちとテニスをするのが楽しくて、その時間は俺にとってかけがえのないものとなっていたんだ…。
いつも通りの部活の風景。
でも、最近少しずつ異変が現れていた。
「なんか最近、リョーマの動きおかしくないか?」
「ああ。皆、気付いているだろう。」
「でも、リョーマ意地っ張りだからなぁ~。素直に俺たちの言うこと聞かないだろう。」
それは皆が思っていることだった。
皆といっても、レギュラー陣の事だが…。
他の部員に気づかせないあたり、さすがレギュラーだろう。
最近のリョーマは本当におかしかった。
3・4日前から動きが変だ。
レギュラーの皆が気付くぐらいに。
いつもはあまりかかない汗をかき、息も上がるのがはやい。
しかし、リョーマに聞けば何ともないと言う。
八方塞であった。
仕方がないので、リョーマの好きなようにさせているがこれがこのまま続く、もしくはこれ以上悪化すれば黙っていられなくなるだろう。
しかし、この事を後悔することになるとは、誰も思っていなかった…。
NEXT…Ⅵ
BACK…Ⅳ