『THE CHAMPION』Ⅵ

ドゴッ!!!

バシッ、バシ、バシ!!!

「ゴホっ。」

体中が…痛い…。

いつまで続くの…?

いつまで我慢すればいいの…?

「黙ってないで、泣きわめけよ!それで土下座して謝れ!!そしたら、やめてやるかもよ。」

リョーマの顔を靴で踏みつける。

「ああ。お前さえ入ってこなければ、俺たちは仲良くやれてたんだよ!!」

「うっ…、負け惜しみ?負け犬の遠吠えはみっともないよ!!それに謝ったって、やめる気なんてさらさらないくせに何言ってんだよ。自分が弱いのを俺に押し付けるなっ!!」

リョーマは負けじと言い返すが、如何せん限界だった。

体は毎日の暴力によってボロボロにされ、心は身勝手な言い草でボロボロにされた。

しかし、それでも誰にも言えなかった。

それはあいつら…リョーマを殴っている首謀者たちテニス部の部員のせいだった。

初めは言葉だけだったのが、ここ何日か前からこうやってどこかに連れられて殴られていた。

それも馬鹿な言葉で脅しまでかけてきて…。

 

―お前、誰かにこのことを言ってみろ、そしたら部の活動停止になって大会に出れなくなるぜ!!―

―こんなことが起こったって知ったら、皆お前のことを恨むだろうなぁ。―

 

それが1日だけならまだいい。

しかし、こう連日と続いてくると、隠しきれなくなってくる。

いや、もう気づいているかもしれない。

あの先輩たちは、良くも悪くも真実を見抜く力を持っているから…。

 

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IFⅣ