『THE ONLI PERSON』Ⅳ

生徒会室の扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのはまぶしい黄金の光だった…。

 

 

 

何がどうなっているかわからない。

最近、夢によく出てくる大切な人がいる。

それも、目の前の生徒会室に。

ここにいることがあり得ない人なのに…。

固まっているルルーシュに彼は笑いかける。

「…ルルーシュ。相変わらず、突発的なものが苦手みたいだね。」

彼の言葉に、本物だと実感する。

また、彼に会えるなんて思ってもみなかった。

私はもう存在しない人間で、彼は皇族。

こんなにも離れている存在だから…。

涙があふれてくる。

彼の顔をちゃんと見たくて、必死に涙をぬぐおうとするがとまらない。

「…お…兄様、シュナイゼルお兄様!!」

呼びたかった愛しい人の名を呼ぶ。

その声に、シュナイゼルもルルーシュの方に駆け寄り抱きしめる。

少し強めに…。

 

少しの間、強く抱きしめあった。

「少しは落ち着いたかい?私の愛しい異母妹。」

シュナイゼルの言葉に、ルルーシュは泣いたことによって乱れた呼吸を整える。

「…はい。お恥ずかしい所をお見せしてすいません。」

「何を言ってるんだい。私も泣きそうなぐらい嬉しかった。」

「お兄様…。」

「ルルーシュが死んだと聞かされたとき、私は絶望したよ。だけど、君がそのぐらいで死ぬとは思えなかった。だから、ずっと君の事を探していたんだ。こんなにも時間がかかってしまったけど…今度こそ私に、君の事を守らせて欲しい。あのときは力がなくて守れなかったが、今は十分つけたからルルーシュを守ることができる。君を死んだナナリーのためにも幸せにしたいんだ。」

シュナイゼルの言葉にルルーシュは下を向く。

黙ったまま動かないので、シュナイゼルは不安に思う。

「今更…遅いだろうか…?」

「…ひっく。…お、お願い…します、シュナイゼルお兄様。」

「嬉しいよ、ルルーシュ。」

ルルーシュの返事にほっと息を吐いて、ギュッと抱きしめる。

そして、ずっと言いたかったことを口にする。

「ルルーシュ、…私の妻になってくれないか?」

「えっ?つ…ま?」

「そうだよ。恥ずかしい話だが、ずっと好きだった。1日たりとも君の事を忘れたことはないよ。」

「嬉しいです。私もずっと好きでした。」

「本当かい?愛しているよ、ルルーシュ。君を絶対に幸せにする。」

シュナイゼルはまるで全てに誓うかのように言った。

 

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『コードギアス 反逆のルルーシュ』