結ばれないと思っていた人と…
もう2度と会えないと思っていた人と…再びめぐり合えた。
それだけでも、私は幸せだった。
「落ち着いたかい、ルルーシュ。」
「はい、お兄様。みっともない所をお見せしてすいません。」
「そんなことないよ。とても可愛かったよ。」
「なっ?!」
シュナイゼルの言葉にルルーシュは一瞬で顔を真っ赤にする。
「フフッ。本当だよ。」
「な、何言っているんですか!とりあえず、会長…ミレイの所に行きましょう。」
「そうだね。白い騎士のせいで、箱庭は壊れてしまった…。」
シュナイゼルの言葉にルルーシュは言葉を返せなかった。
だって、それは事実だったから。
白い騎士の身勝手な行動のせいで、平穏は壊れてしまったから。
きっと、シュナイゼルも白い騎士のことでルルーシュを見つけたのだろう。
ブリタニアの騎士になる者の周りも全て調べられるのだから…。
「私の処に来てくれるかい?絶対守って見せるから。」
「…はい。どこまでも…。」
「…会長!」
ルルーシュが微笑みながら向ってくる。
本当の笑みを見せているなんて、本当に久しぶりでとても嬉しかった。
「ルルちゃん…会えたのね。」
「はい…。」
「良かった…。」
「…彼の所に行きます。もう、ここにはいられないから…。」
「ごめんなさい…。最後まで守れなくて…。」
ミレイは静かに涙を流す。
本当は最後までミレイが守りたかったのだ…ルルーシュの事を。
ミレイにとってもルルーシュは至高の存在であり、守るべき宝石なのだから。
「今まで、ありがとう。」
「ミレイ嬢。」
ルルーシュの後ろからスッとここには本当はいないはずの者が現れる。
「今まで良くルルーシュを守ってくれた。アッシュフォードは褒美として貴族に戻す。」
「ありがたきお言葉です。しかし、私はブリタニアのために守ったのではありません。」
「クスッ。それでも感謝しているよ。これからも仲良くしておくれ。」
「はい!」
「さぁ、行こう。」
「はい…。」
そして、人混みに消えて行った。
…2人で寄り添って。
この日、アッシュフォード学園の生徒が1人退学した。
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