『THE ONLY PERSON』Ⅴ

結ばれないと思っていた人と…

もう2度と会えないと思っていた人と…再びめぐり合えた。

それだけでも、私は幸せだった。

 

 

 

「落ち着いたかい、ルルーシュ。」

「はい、お兄様。みっともない所をお見せしてすいません。」

「そんなことないよ。とても可愛かったよ。」

「なっ?!」

シュナイゼルの言葉にルルーシュは一瞬で顔を真っ赤にする。

「フフッ。本当だよ。」

「な、何言っているんですか!とりあえず、会長…ミレイの所に行きましょう。」

「そうだね。白い騎士のせいで、箱庭は壊れてしまった…。」

シュナイゼルの言葉にルルーシュは言葉を返せなかった。

だって、それは事実だったから。

白い騎士の身勝手な行動のせいで、平穏は壊れてしまったから。

きっと、シュナイゼルも白い騎士のことでルルーシュを見つけたのだろう。

ブリタニアの騎士になる者の周りも全て調べられるのだから…。

「私の処に来てくれるかい?絶対守って見せるから。」

「…はい。どこまでも…。」

 

 

 

「…会長!」

ルルーシュが微笑みながら向ってくる。

本当の笑みを見せているなんて、本当に久しぶりでとても嬉しかった。

「ルルちゃん…会えたのね。」

「はい…。」

「良かった…。」

「…彼の所に行きます。もう、ここにはいられないから…。」

「ごめんなさい…。最後まで守れなくて…。」

ミレイは静かに涙を流す。

本当は最後までミレイが守りたかったのだ…ルルーシュの事を。

ミレイにとってもルルーシュは至高の存在であり、守るべき宝石なのだから。

「今まで、ありがとう。」

「ミレイ嬢。」

ルルーシュの後ろからスッとここには本当はいないはずの者が現れる。

「今まで良くルルーシュを守ってくれた。アッシュフォードは褒美として貴族に戻す。」

「ありがたきお言葉です。しかし、私はブリタニアのために守ったのではありません。」

「クスッ。それでも感謝しているよ。これからも仲良くしておくれ。」

「はい!」

「さぁ、行こう。」

「はい…。」

そして、人混みに消えて行った。

…2人で寄り添って。

この日、アッシュフォード学園の生徒が1人退学した。

 

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『コードギアス 反逆のルルーシュ』