男女逆転祭。
それはその名の通り、男子が女装をし、女子が男装をするお祭りだ。
このアッシュフォード学園では1年の中に何度も大きなイベントがあり、それは全て生徒会長であるミレイ・アッシュフォードの気まぐれで行われていた。
今回の男女逆転祭もミレイのルルーシュの女装姿をみたいという気まぐれだった。
しかし、実を言うとミレイはひとえにルルーシュの事を考えてのことだった。
それは、ルルーシュの重大な秘密につながっている。
そう。
ルルーシュ・ランぺルージとは仮の名で、本当の名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだった。
『ブリタニア』と性の名がついていれば、誰でもそれがどのような人かわかるだろう。
ブリタニアとは、ここ元日本であったエリア11を含む、たくさんの国々を統一した大帝国、神聖ブリタニア帝国の皇族であると…。
ルルーシュはブリタニアの皇族で、皇位継承権も17位とかなり高めの皇族なのだ。
さらに、ルルーシュには幼少の頃から偽っていることがあって、みなには男と知られていたが、実は皇子殿下ではなく、皇女殿下だったのだ。
皇女殿下だった…。
それは過去形の言葉。
…ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアはすでに鬼籍に入っているのだから。
憎き父のせいで。
ルルーシュは最近、その頃の夢ばかりを見ていて、かなり疲れていた。
あの約束の夢や悲しい悪夢の…。
そんなルルーシュを見ていて、ミレイは少しでも元気づけたいと想い、このお祭りを開催したのだ。
また、それだけでなく、普段女の子らしい恰好をできないルルーシュに、少しでも年頃の女の子らしくして欲しかったからだ。
それに、今はあの憎き白い騎士もいないから…。
ルルーシュには幸せになってほしい。
それは、ルルーシュの事を知っている皆が思っていることだった。
これまで辛い運命をたどってきたルルーシュにこそ…。
そう。
これは、ルルーシュを幸せにするための計画。
ルルーシュがルルーシュでいられるための…。
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