『SECRETLY LOVE』Ⅰ

黒の教団。

それはヴァチカンの名において、あらゆる場所の入場が認められている。

その本部は、断崖絶壁の崖の上に在る。

その崖を必死に登っている男が1人いた。

「ここが…黒の教団…。」

男はやっとのことで登り終えると、門に近づいて行った…。

 

 

 

「アレン~、ご飯食べに行こうさ。」

とアレンの部屋をノックしながら言う。

すると、すぐに中から声が聞こえる。

「いいですよ。」

ガチャッと扉が開いたかと思うと、中からアレンが出てくる。

「すいません。行きましょうか。」

「ああ。そういえば、クロス元帥が帰ってきたんだって?」

「…はい。先ほど帰ってきました。」

「俺、まだクロス元帥に会ったことないんだよなぁ~。なあアレン、クロス元帥ってお前の師匠なんだろ?どんな人なんだ?」

ラビがクロスの事を聞くと、いきなり雰囲気が変わる。

「あの人は、正真正銘悪魔です!!多額の借金を押しつけられ、HOMEに帰るのが嫌だからって、僕の頭を金づちで頭を殴って、逃亡するような人なんです!!そんな人間が、悪魔じゃないわけありません!!」

そう言って、黒い笑みを浮かべる。

…アレンが…黒い。

「わ、悪い。嫌なこと聞いたさ。」

「別にかまいませんよ。」

急いで謝ったラビだったが、アレンの笑みはいまだ黒かった。

 

話していると、いつの間にか食堂についていた。

ちょうど昼の時間なので、たくさんの人が食べている。

2人は、ジェリーさんの所にひょいっと顔を出す。

「俺、焼き肉!!」

「ラビ、お肉好きですね…。」

「男はやっぱりお肉さ。」

「焼き肉ね。アレンくんは、何にする?」

「えっと…グラタンとポテトとドライカレーと麻婆豆腐とビーフシチューとミートパイとカルパッチョとナシゴレンとチキンにポテトサラダとスコーンとクッパにトムヤンクンとライス。あとデザートに、マンゴープリンとみたらし団子20本。全部、量多めで!」

「相変わらず、よく食べるさ。」

「そうですか?」

「ねぇ君たち、もしかしてエクソシスト?」

声をかけられた方を見てみると、汚れた男がいた。

しかし、アレンもラビも見たことがなかった。

男は髪が長くひとつくくりにしていて、無精ひげが生えている。

そして、薄汚れた白衣を着て、背には重そうな荷物を背負っていた。

「何なんだ、お前?!」

しかし、男はそれを無視してまた聞く。

「エクソシストなんだろ?」

「だったらどうなんさ!!」

無視をする男にイラつき、語気を荒げる。

しかし、それをアレンがなだめようとする。

「ラビ、落ち着いて下さい。」

「…やっぱり。」

その瞬間、いきなり男の持っているものから強烈な光が襲った…。

 

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