「……わかったか、昌紀。」
「は、はい。」
予想以上に、燈湖の説教は長かった。
朝のSHRを無視し、1時間目のさえも、先生に注意されても、逆切れして押し通した。
そして、2時間目前の休み時間で、やっと終わった…。
「本当に…ごめんな。」
「わかったんだったら、もういい。」
「燈湖、大好き!!ありがとう!」
「そういえば、体育祭の種目、勝手に決まったぞ。」
「えっ?!マジかよ。それで、何になった?」
「えっと…騎馬戦と色別リレー…。」
意外に少なかったが、まだ何かあるんだろう…。
それを今聞いとかないと、後で痛い目に会うのは自分だ。
「そっか。…でも、まだ何かあるんだろう?」
「…さすが、昌紀。」
「当たり前だろ。お前とは、ずっと親友をやってるんだから。」
「応援合戦でな、お前たち生徒会のメンバーは、女子は男装で、男子が女装してやるんだ…。」
「…は?」
燈湖が言っている意味がよくわからなかった。
「…女装?」
「そうだよ。お前は、応援合戦の時に女装するんだ。」
「なんで?そんなこと決まってなかったよな?」
思い起こしてみても、そんなことは思い出せない。
「ああ。なんか、校長が面白そうだって、言ってきたらしいよ。」
「でも、なんで生徒会のメンバーだけなんだよ。」
「それは、美男美女が集まってるからだろ。」
「どこが?俺は美男なんかじゃないよ。」
またかよ…。
この無自覚をどうにかしてくれ…。
お前が美男じゃなかったら、誰もびなんじゃないから。
「何、ブツブツ言ってんだよ。」
「別に。明後日の体育祭楽しみだな。」
「俺はさっきのを聞いて、やる気をなくしたよ。」
「大丈夫だって。楽しんでいこうぜ。めったにできることじゃないし。」
めったにできることじゃない?
「ていうか、したくないから!!」
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