もぐ、もぐ。
じぃーーー。
「……。」
本当に、さっきから何なんだ?
もっくんが俺をじっと見てくる。
…というか、睨まれてる。
いつもだったら、俺の事なんか見たくないって、絶対こっちなんて見ないのに…。
でも、俺は見えないことになってるから、何も言えないしなぁ~。
すっごい、食べにくい。
「昌紀、もう大丈夫なのか?」
と、いきなり浩紀が話しかけてくる。
今、入ってきたようだ。
しかし、浩紀がこんなに朝早いのは珍しい。
いつもは、昌紀が行った後に起きだすほど、寝坊をしょっちゅうする。
「ああ、迷惑かけたな。」
「そんなこと別にいいよ。昌紀が元気になってよかった…。」
!!!
浩紀にそんなことを言われて、昌紀は驚いた。
浩紀は、俺の事嫌いじゃなかったのか?
そう思ってが、それは言葉にならず
「悪い。」
と言って、御飯を食べ終わって、学校に行った。
しかし、それは単なる照れ隠し。
気付かれないようにするために…。
ばれないようにするために…。
なれ合ってはいけない。
ぼろが出てしまうかもしれないから。
「行ってきます。」
そう言って、玄関を出る。
今日はきっと、皆にいろいろ言われるだろうが、仕方ない。
とりあえず、燈湖の説教を長々と聞くか…。
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