『THE CHAMPION』Ⅲ

「皆、集まってくれ!」 

「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」

部員の皆を呼び集め、リョーマを紹介する。

「今日からテニス部に入った、越前 リョーマだ。アメリカに住んでたらしく、今日から学校に通い始めたそうだ。」

「越前 リョーマっス。よろしくお願いします。」

「とりあえず、レギュラーだけ紹介しておくね。」

と言ったので、レギュラージャージを着ている人たちを見る。

「まず僕、部長の幸村 精市だ。」

「俺は副部長の真田 弦一郎だ。」

「柳 蓮司。」

「私は柳生 比呂士です。よろしくお願いしますね。」

「仁王 雅治ぜよ。プリッ。」

「俺、丸井 ブン太!よろしくな、リョーマ!!」

「俺はジャッカル桑原だ。」

「俺は新城 弘大(あらき こうた)だぜ!!」

「俺は切原 赤也。」

「赤也は2年で唯一のレギュラーなんだよ。」

「よろしくお願いします。」

わざわざ紹介してもらったので、もう1度挨拶をする。

「ここは実力主義だ。強ければ、学年なんて関係なくレギュラーになれるよ、リョーマ。」

その言葉にニヤッと笑い

「強そうな人たち、ばっかりだね。楽しい部活になりそう…。」

 

「とりあえず、実力を見たいから、乱打でもしようか。」

「うっス。」

幸村がそう言ってきたので、ラケットバッグからラケットを出す。

そして、1番近いコートに入り、「お願いしま~す。」と言って、幸村と乱打を始める。

パン!

パン!

パン!

「彼、フォームがとてもきれいですね。」

「だが、フォームぐらいなら誰でもできる。」

柳生がほめたのを聞いて、真田が辛く言う。

「やっぱり、うまいっすね!」

しみじみ、この学校に来てよかったと思う。

「リョーマこそ、向こうでテニスをしてたのかい?」

「はい。少しですけど…。」

しばらく続けていると、急に幸村がボールを止める。

「そろそろいいかな。誰か、レギュラーで試合したい奴、いないかい?」

「俺がやるぜ!お前に立海の厳しさを教えてやる!!」

「別に誰でもいいっすよ。俺は負けないけど。」

と強気に挑発する。

「フン!口だけにならないように、せいぜい頑張るだなっ!!」

 

 

 

「ゲームオーバー・ゲームセット!!」

「ウソだろっ?!」

「ウォンバイ・越前 リョーマ 6-0!」

「レギュラーの新城さんが…。」

「1セットも取れないなんて…。」

「リョーマ、おめでとう!今からレギュラーの1員だ。」

と言いながら、幸村が近づいてくる。

「ありがとうございます。」

「待てよ!俺が、こんな餓鬼に負けるはずがない!!」

「たるんどる!!」

「お前は、レギュラーから落ちたんだよ。」

とブン太がさらに傷を裂き

「弱いんだよ、あんた。」

と赤也がとどめを刺す。

「くそおぉぉぉ!!!!!」

 

入ったばかりのリョーマは、その日のうちにレギュラーになった。

そして、新城との試合を見て、リョーマの強さを認めずにはいられなかった。

 

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