「越前、ここだ。」
着いたのは、1-1の教室。
これからリョーマが過ごすクラスだ。
リョーマをここまで連れてきたのは、このクラスの担任の中里(なかざと)で、今は5時間目の授業をしている時間だ。
「気持ちの準備は大丈夫か?」
「大丈夫っス。」
「そうか。なら、入るぞ。」
そう言って、教室の扉を開く。
「遅くなったな。」
と謝りながら、先生が入っていく。
それにリョーマもついていく。
そんなリョーマを興味津津と皆が見ている。
「おい、静かにしろよっ!」
そう言うと、すぐに教室の中が静かになる。
「遅くなったが、お前たちと同じ新入生だ。越前、挨拶しろ。」
「ういっス。越前 リョーマ。よろしく。」
簡潔にさらっと終わらせる。
「越前、そんなんでいいのか?」
「はい。」
「じゃあ、誰か質問があるものいるか?」
それを聞いた瞬間、待ってましたと一斉に手を上げる。
「森岡。」
先生が1番うるさかった、男子を当てる。
「はい!俺、森岡 湊矢(そうや)!!越前くんはどの部活に入るんだ?!ついでにおれはテニス部だぜ!!」
大きな声でハキハキと言う。
「…テニス部。」
「まじかよ?!よろしくな!!」
質問が終わったところで、他の奴を当てる。
「水野。」
次に当てられたのは、髪の長い女子。
「はい。越前君って、なんで私服なんですか?!」
と嬉々と聞く。
「制服は、間に合わなかっただけ。頼むのが遅かったんだ。」
他に何人か質問した後に、先生がそろそろいいかと、越前の席を教える。
「越前、お前の席は森岡の隣の窓際の1番後ろだ。森岡、同じテニス部だから、わからないこととかあったら、教えてやれよ!」
「はい!」
リョーマが自分の席に着くとチャイムが鳴って、5時間目の授業が終わった…。
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