「ねぇ、こんなところで何してるの?」
声をかけてきたほうを見るが、見覚えがない子だった。
ピンクの髪をしていて、死覇装を着ていた。
「誰?」
「私はやちる!いっちー、よろしくね。」
「いっちーって、俺の事?」
「そうだよ。いや?」
「うんん、嬉しい!俺、一護だよ。よろしくね!!」
それが、やちるとの出会いだった…。
「いっちー!」
「やちる?」
そこにいたのはピンクの髪をした女の子。
彼女は見た目子供に見えるが、れっきとした死神で、血の気の多い11番隊の副隊長をしている。
こないだからたまに遊んでいる。
一護もやちるも、瀞霊廷内の中で唯一の同年代なので、嬉しいらしい。<本当は、やちるの方がかなり年上だが…>
「剣ちゃんにね、いっちーの事紹介したいの。」
「剣ちゃん?」
「そうだよ。私のこと流魂街で拾って、育ててくれた人なの。」
「その人の事大好きなんだね。」
声を聞いただけでも、剣ちゃんという人の事が特別なのだとわかる。
「うん!!剣ちゃんは、私の世界なの。」
「そっか…。俺、会ってもいいの?」
「もちろん!いっちーに会って欲しいの。」
その言葉が嬉しい。
それは、俺を信じてくれているということなのだから…。
「行こう、いっちー!!」
「うん!!」
やちるについていくと、11番隊舎が見えてくる。
「ここって、11番隊舎?」
「そうだよ。剣ちゃんは、11番隊の隊長をしてるの。」
「すごいんだね。」
「うん!とっても優しくて、かっこいいの。」
そう言って、11番隊舎の中に入って進んでいく。
隊首室の前に着くと、おもいっきり扉を開いて、中にいる男の1人に飛びつく。
「剣ちゃん!!いっちー、連れてきたよ。」
そこにいたのは、尖がった髪の先に鈴をつけた、片目に眼帯をしている男と、スキンヘッドの男と、おかっぱに変なものがついた男がいた。
「お前が一護か…。」
「うん!黒崎 一護だよ。」
「ふっ。良い眼をしてるな、一護。気に入った。たまに遊びに来いよ。」
「うん、ありがとう。で、こっちの2人は?」
残りの2人を指して言う。
「こっちは、一角と弓親だ。」
「よろしくな、一護!!」
「よろしく、一護。」
「よろしく!!」
それから度々、11番隊舎で一護を見かけるようになった。
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