いきなり現れた小さな死神は太陽のようだった…。
「あっ、狛村さん!」
「おお、一護か。」
「うん。今お使い中なの。狛村さんは何してんの?」
「私は、9番隊に行くところだ。」
「東仙さんのとこ?」
「ああ。」
この小さなオレンジの死神との出会いはいきなりのものだった。
それは先日の事。臨時の隊首会で紹介されたのが一護だった。
一護は、10番隊隊長の日番谷 冬獅郎の事がお気に入りらしく、たいていの時間をそこで過ごしている。
一護と狛村が話をしたのはつい先日で、自分の隊舎で東仙と話をしているときだった…。
「あ、危ない!よけて!!」
そう言って、上から降ってきたのはオレンジの髪をした子供だった。
ドン!!!
「大丈夫かい?」
「ご、ごめんなさい!!急いでたら、すべっちゃって…。」
「かまわないが、屋根の上を走ったら危ないだろう。」
「はい…。」
一護はシュンとうなだれる。
「まあまあ狛村、反省しているようだしそのぐらいでいいじゃないか。」
「うわぁ、ワンちゃんだ!!」
一護を見てみると、目をキラキラさせて狛村の顔を凝視している。
「狛村、笠が取れている。」
そう言っている間に、一護は狛村の足もとに行って抱きしめる。
「ねぇ、さっきまでなんで隠してたの?!」
「私が怖くないのか?」
驚きお隠せずに聞く。
人間というものは、普通自分と違うものを恐れるものだ。子供なんて、この顔を見たら泣くか恐れるかするし、大人でも口には出さないにしても、遠まわしに拒否をする。
「なんで?!だって、とってもかっこいいじゃん!!」
「かっこいい?」
「うん!ヒーローみたいでかっこいいよ。それに、さっきだって俺の事を心配して怒ってくれたんでしょ?そんな優しい人が怖いはずなんてないよ。」
「この子は本当のお前を見抜けているんだ。いい子だな。」
「ああ…。」
その日から一護が来るようになり、その時は笠をのけて素顔を出している。
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