『DEAR THE CHILD』Ⅰ

「みな、良く集まってくれた。今から臨時の隊首会を始める。今日、集まってもらったのは、 紹介したい者がいるんじゃ。入りなさい。」

扉が開いた瞬間、鮮烈なオレンジが見えてくる。

そこにいたのは、小さなオレンジの髪をした死神だった…。

 

 

 

「冬獅郎~、遊びに来たよ!!」

「一護、よく来たな。今日は現世のお菓子、チョコレートというものを用意したんだ。」

「本当?!ありがとう、冬獅郎。…もしかして、冬獅郎忙しかった?何か手伝おうか?」

「平気だ。そもそも、松本が仕事をしないから、こんなに書類がたまってるんだ。」

「そうなの?」

「ああ。一護も来たことだし、休憩にするか。」

「お仕事忙しいんだったら、無理しなくていいよ。」

「大丈夫だ。それに、そろそろ休憩しようと思ってたとこなんだ。」

 

ここにいるのは黒崎 一護。なぜか死覇装を着ている。

そんな一護と初めて会ったのは、先日合った臨時の隊首会。

総隊長から紹介されたのは7歳の男の子。

太陽を思わせるオレンジの髪を持ち、その可愛さから一護はあっという間に、護廷のアイドルになった。

そして、一護は特例として、護廷の中を自由に歩いていいそうだ。

 

「一護~、来てたの?!言ってくれたらすぐに帰ってきたのに。」

「松本、お前今まで仕事しないで何してたんだ。」

「な、何ってちょっと書類を届けに行ってたんですよ。」

「書類を届けるだけでこんなに時間がかかるのか?」

「何言ってるんですか。そんなにかかっていませんよ。」

「じゃあ、この山はなんだ…。」

「二人とも喧嘩しちゃだめなんだよ!」

「「一護。」」

「乱菊さんも、ちゃんと仕事しないと冬獅郎が倒れちゃうよ…。」

「ごめんね、一護。今からちゃんとやるから許して!」

「本当?」と首をかしげる。

「もう、可愛いんだから!!」

ギュウッと一護を持ち上げ、抱きしめる。

「俺、男だから可愛くないもん。」と顔を真っ赤にして言う。

そういうとこが可愛いのに。

「そうね。一護はかっこいいもんね。」

「うん!!ありがとう、乱菊さん。」

 

NEXT…Ⅱ

BACK…PROLOGUE

IF