『悲しき運命を打ち破れ』嗣

「そろそろ行こうかな。…オン。よし、式神も置いたし、早く行こう。」

いつも通り皆にばれないように、自分の2階の部屋の窓から外に出る。

「浩紀たちは紫乃女山(しのめやま)の方に行くみたいだから、学校の方を見回りしようかな。」

そう言って、学校の方に歩きだす。

 

 

 

 

 

 

 

「異常もないし、そろそろ帰ろうかな。」

「孫~!」

「うわあぁぁ!!」

声が聞こえたかと思うと、いきなり上から雑鬼たちが降ってくる。昌紀はその大量の雑鬼につぶされる。

「孫言うな!!!」

と力強く言うと、雑鬼の下から這い出てくる。

「孫は孫なんだから、しょうがないだろ?!なっ、孫!」

「だから言うに事欠いて孫言うな。」

「でも昌浩だしな。やっぱり孫だ。」

「今は昌紀!昌浩じゃない。」

「でも、世明の孫だろ?だったら、合ってるだろ?!」

「しつこい!!」

「まあまあ。それより、俺たちお前に伝えたいことがあるんだ。」

「何かあったのか?」

「ああ。最近、なんか怖いのが出てきたんだ。」

「怖いの?!」

「そうなんだ。式神みたいな奴が二人、ここら辺をうろついているんだ。」

「俺、ちょっと見えたんだけど、世明を恨んでるみたいなんだ。」

「えっ?!じい様を…。」

「ああ。確か、前に1度世明が倒した奴だと思うんだけど。」

「わかった。知らせてくれてありがとう。お前たちも気をつけてくれ。」

「おう。またなんかあったら知らせるな。」

「頼むぞ、孫!」

「…だから孫言うな!!」

 

NEXT…伍

BACK…参

PARALLELⅡ