もうすぐだ…。
もうすぐ、あの方が目覚める。
それまでに相応しい贄を連れてこなければ…
待っていろ…安部…世明……!!!
「ただいま。」
静かに声を出し、そのまま部屋に向かっていく。
「昌紀、ご飯よ。」と台所のほうから、声が聞こえてくる。
その言葉に、「わかりました。」と返事をし、部屋に入る。
やっと1日が終わった…。
「はぁ…。ご飯にいかなくちゃ。」
また…仮面という名の表情をかぶって。
「遅くなりました。」
「みんな揃ったところで、食べようか。」
「「「「「「「いただきます。」」」」」」」
「昌紀、浩紀、ちょっと妖怪退治に行って来い。」
「俺には無理です。霊力がありませんから。」
「はい。」
「何を言っておる。やる前から無理と言っていては何もできんぞ。」
「霊力がないことを知っているのに、言わないでください。浩紀がいるんですから、別にいいじゃないですか。」
「昔はそうじゃったかもしれんが、今なら使えるかも知れんぞ?」
「無理なものは無理です。話はそれだけですか?」
「ああ。」
「なら、もう行っていいすね。ごちそうさまでした。」
「せっかちな奴じゃのう。」
「昌紀は、私たちの前では笑わなくなってしまった…。」
「それより、浩紀。今日から夜警を始めなさい。大きな敵が動き出すと出ている。」
「わかりました。」
「浩紀も行くのか…。会わないように気をつけないとな。さてと、明日の準備もできたし、夜警に備えて寝とかないとな。」
NEXT…嗣
BACK…弐