『双りの絆を守りきれ』始

太陽が燦々と煌めく日。

気温は夏の暑さへと向かっていた。

昂然たちを倒した昌紀たちは、新たな平穏な日常を始めていた。

「浩紀、遅れるぞ。起きろよ!」

昌紀はもっくんと協力して、浩紀を起こしにかかる。

「ん、あと……5…時間。」

ぶちっ。

「…ふざけるなあぁぁぁ!!!」

そう言って、もっくんは浩紀の頭へとかかと落としを繰り出す。

ドスッ。

鈍い音が鳴り、浩紀は頭の痛みにうずくまる。

「うぅ…何するんだよ、もっくん!」

「お前が戯けたことを言うからだろう!」

「だからって、暴力に出るなんて最低だぞ。」

また、浩紀ともっくんの言い合いが始まる。

そこに昌紀が仲裁に入る。

「そのぐらいにしないと、遅刻するよ。」

そう。

これが朝の新しい日常だった。

 

 

 

昂然との戦いから、2週間という月日がたった。

しかし、たったそれだけの時間の間にたくさんの事が変わった。

家での雰囲気も、十二神将や浩紀の態度も。

もちろん、昌紀の態度も。

昌紀は毎朝、浩紀と一緒に行くようになり、一緒に住んでいる彩子や翔子とも仲良くするようになった。

色々なことが、良い方向に進んでいったのだ。

だけど、その平穏は長くは続かない…と、気付いているものは誰もいなかった。

そう。

世明や十二神将さえも…。

 

NEXT…壱

PARALLELⅡ