昂然を倒した後、はっきり言って大変だった。
昌紀がいきなり倒れて意識を失い、それから1週間も目を覚まさなかった。
世明曰く、鎖響に心をのぞかれた後遺症によるものらしい。
優等生な昌紀が1週間も休むなんてなかったから、浩紀は皆に理由を聞かれた。
また、昌紀のファンクラブの子たちに…追いかけられ、お見舞いの品を渡してくれと、1人じゃ持てないような量を渡された。
やはり、休んだ理由を病欠にしたことが悪かったのだ。
昌紀が目を覚ましてから、皆で話し合いをした。
今まで拗れていたものをときほぐすために…。
昌浩のことをきちんと話し、昌紀とは和解することができた。
そう。
これから普通に話すことも、一緒にいることもできるのだ。
それはとても心地よく、なぜ今まで言わなかったのか、昌紀は過去の自分がばからしくなった。
「浩紀、昌紀、彩子ちゃん、紹子ちゃん、遅刻するわよ~。」
リビングから梅雨紀はまだ学校に行っていない子供たちに声をかける。
その言葉に、4人は元気よく返事をする。
「「「「は~い。」」」」
「行こう、皆。」
「ああ。」
「「ええ。」」
「「「「いってきます。」」」」
皆で仲良く学校に行く。
その姿を哉央や昌央たちは微笑ましく見ていた。
今、昌紀たちは新たな生活を始めたのだった…。
END
BACK…参拾参