『歌姫の声』PROLOGUE

暗い、暗い大きな屋敷の中、声が聞こえる。

歌姫の声が…。

 

 

 

「さっみぃ~。なんだよ、この寒さは!!テラズタウンに入って、いきなりこの寒さかよっ。」と小さな男が言う。

「何言っての、カイル。チャラクシ島よりましだよ。」

「そうかぁ?!」とカイルが言う。

そう。この物語の主人公とは俺の事、カイル・シェルベルトだ。

俺はキラから逃れるために、ユノやルイ、ルナと旅をしている。

「ねぇ、あの屋敷で吹雪がやむまで、休ましてもらわない?」

そうユノが言った瞬間、急にルナが震えだす。

「えっ!!やだよ、ユノ。めっちゃ怖そうだよぉ~。私、怖いの苦手なんだよ…。」と涙ぐむ。

「大丈夫。俺が守ってやるよ!」

「かっこつけすぎ、カイル!でも、ユノは俺が守ってやるよ❤」

「あいがとう、ルイ。でもぉ~私、怖いの大好きだから!!」

「可愛くないぞ、ユノ!!」

ム~~~

ユノは頬を膨らまし、「うるさいっ!カイル!!」と怒鳴りつける。

そんな普通のやり取りが楽しくて、みんなで笑っていた。

 

これから起こることにも気付かずに…。

 

 

 

 

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