巨大な門。
端の見えない敷地を仕切った壁。
僕、志月 悠(しづき はるか)は今いったいどこにいるのでしょうか…?
事の始まりは、1週間前の養父 志月 聡也(しづき そうや)の言葉だった。
それは学校に通えということだった。
今まで1度もそんなことを言わなかったから、言われた時はとても驚いた。
だけど、理由が聡也の社長を務めている会社が新しい分野で海外に進出するということで、何も言えなくなってしまった。
聡也曰く、僕が1人でこの家に残って暮らすのが心配らしい。
そんなこんなで、聡也の弟が理事を務めている『蒼凛学園』に行くことになったのだ。
『蒼凛学園』は全寮制のマンモス校で、小・中・高・大学とエスカレーター式の進学校だ。それも男子校の。
日本有数のレベルの高い学校で数々の政界や業界などの子息が通っている。
不安ではあったが、聡也の弟 志月 翔也(しづき しょうや)の息子 志月 棷(しづき しゅう)が通っているということなので、喜んで悠は了承した。
棷とは聡也に引き取られた時から知り合いで、今でも度々遊んでいた。
でも、最近は忙しいらしく、会うのが久しぶりで楽しみだった。
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