『未来への切符』PROLOGUE

コポッ。

「ここは、どこ?」

目の前に広がるのは、青一色。

そう。

水の中にいるのだ。

しかし、水の中にいるはずなのに全く苦しくなかった。

きっと、夢なのだろう。

だが、調査中以外で変な夢を見たのは初めてだった。

そんなことをつらつらと考えていると、どこからか声が聞こえてくる。

―やっと見つけた…。―

コポ、コポ。

「…だ、誰?」

―ずっと探していた…。―

「探していた?…私を?」

―そう。―

その声は若い男の人のような声で、麻衣をやさしく包み込んでいく。

暖かい。

ただ、そう思った。

しかし、いきなりそれが一転して、辺り一面が真っ暗になる。

何も見えず、さっきの声も全く聞こえてこなかった。

すると、いきなりどこかから腕が伸びてくる。

それも数え切れないほどの…。

「いやぁ!」

腕がどんどん伸びてきて、麻衣を捕らえていく。

危険だ。

ただ、そう思った。

この腕に囚われれば、2度と戻れなくなると…。

逃げなければいけない。

目を覚まさなければいけない。

「いや…嫌だ…はなしてぇぇぇ!!!」

 

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『ゴーストハント』