『NOAH'S PRINCESS』PROLOGUE

その日は町が白く染まり、一層に寒い日だった。

朝から雪が降り、ホワイトクリスマスになった。

そんな日に似合う、白髪のとても可愛らしい女の子が帰ってきた。

ふたつの力を持った子が…。

ひとつはAKUMAと呼ばれる兵器を壊すための力。

もうひとつは、その力とは相反する力だった。

しかし、千年公たちはそういう子が帰ってくるのをずっとずっと待っていた。

いや、戻ってくるのを待っていたのだった。

 

 

 

―――12年後。

千年公たち、ノアが暮らす屋敷はとても賑やかだった。

そう。

ノアの中でも1番愛されている、14番目…アレン・ウォーカーの誕生日なのだ。

といっても、アレンを拾った日のだが。

アレンは幼い頃に、奇怪な腕を持つために親に捨てられていたのだ。

そこに千年公がやってきて、拾ったのだ。

アレンを見た時は、あまりに嬉しすぎて皆で泣いてしまった。

それもそのはず。

ずっと待って、探していた家族…ノアだったのだから…。

そう。

アレンはイノセンスとノアの力の両方を持つ者だった…。

 

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PARALLELⅢ