『PHOBIA』PROLOGUE

あなたに会いたい…。

大好きな彼に会って、全てを忘れたい。

コンラッド…助けて……。

 

 

「はぁ…、はぁ…。」

走らなくちゃ…。

あいつが…追い付いてくる…。

暗い…。

俺はどこまで逃げれば、あいつから逃れることができるの?

「有利、どうして逃げるの?こんなに愛しているのに…。」

遠くから声が聞こえ、その方向を見てみると、黒い影が見える。その影は、どんどん近付いてきて…

「いやあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「……夢…?」

目が覚めてみてみると、そこはいつも寝ている自分の部屋だった。

 

 

 

「渋谷、大丈夫かい?」

「…うん。平気。」

村田に心配かけるなんて、何やってるんだろ、俺…。

何としてでも、隠さなきゃいけないのに…。

笑わなきゃ…。

大丈夫。今日までちゃんと笑えてただろ?まだ、俺は笑える。…笑っていられるんだ。

 

NEXT…Ⅰ

LONGⅠ